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【年間300冊】漫画ヲタクがおすすめする少女漫画

少女漫画に貢ぎ続けて早18年。本職は編集っぽいことをやっています。

【後悔知らず】ふしぎ遊戯(渡瀬悠宇)

レビュー

中学3年生の受験生である美朱は、ある日図書館で『四神天地書』という古本を拾う。その本を開いてみると瞬く間に本の中に吸い込まれてしまう。そして、本の中の世界「紅南国」の皇帝・星宿(ほとほり)に、「“朱雀”を呼び出し、この国を救って欲しい」と懇願され快諾してしまう。“朱雀の巫女”となった美朱は、朱雀を呼び出すために“朱雀七星士”を探す旅に出る。

読み手を虜にするキャラクターの存在

ふしぎ遊戯は、とにかく主要キャラクターの数が多い。しかし、そのキャラクターたちの個性が決して喧嘩しないのが、この作品のポイントだと思う。物語が進む度にキャラクターたちの抱える闇や過去が明かされるのだが、そのどれもに読み手は共感し、感情移入する。敵でさえも、だ。その人間らしい思考、行動が、読み手をふしぎ遊戯の世界に引きずり込むのだ。

色褪せない

少女コミック』にて連載が開始されたのは、今から20年以上前の1992年。しかし、今読み返しても作品自体を全く“古く”感じないのが、ふしぎ遊戯の特徴の1つにある。物語の舞台が昔の中国という設定もあるかもしれないが、巻き起こる出来事、キャラクターの仕草や言動等どれもとってもきちんと“現代”に当てはまる。つまり、今、起こってもおかしくないのだ。

 

続編までもが愛されるワケ

ふしぎ遊戯』が完結したのは1996年。この完結で読者は『ふしぎ遊戯』ロスに陥る。しかし2003年、『ふしぎ遊戯』の続編となる作品の連載が始まった。それが『ふしぎ遊戯 玄武開伝』だ。ふしぎ遊戯は、“朱雀の巫女”である主人公の美朱の物語を描いているが、ふしぎ遊戯 玄武開伝』では“玄武の巫女”である多喜子が主人公となって描かれる。しかもその多喜子のストーリーは『ふしぎ遊戯』で既に描かれ、そして結末までもが明かされている。

 

既に明かされている結末までの導線が気になる読者は、『ふしぎ遊戯 玄武開伝』にのめり込むようにはまっていく。「続編の主人公が気に入らない」「前作を無理やり続けさせている」といったように往々にして続編は前作を超えられない傾向にあるが、1度描かれているストーリーということで、『ふしぎ遊戯 玄武開伝』が始まったというよりも、ふしぎ遊戯』がまた始まったと読者に感じさせ、一躍人気作品となった。また、前作よりも過去の話となるため、エピソード0的な目線を得られたのも人気が出た要因だと思う。

 

アニメ版が名作続き

ふしぎ遊戯』のアニメは特に良い出来だったと思う。かくゆう筆者もDVDを全巻所有するほどである。漫画を読んでいた段階で想像していた声が見事にマッチしたということもあるが、とにかく制作側の『ふしぎ遊戯』への愛が感じられた。キャラクターの死があれば、名シーンをまとめ、原作にはなかった描写まで入れるほどだ。

 

また、あまり知られていないが『ふしぎ遊戯』にはOVAバージョンがあり、DVDでしか観ることのできないアニメがある。原作とは異なるアナザーストーリーが描かれた“オリジナルビデオシリーズ”は特に名作なので、ぜひご覧いただきたい。

 

さらに、楽曲の良さもある。主題歌の『いとおしい人のために』はもちろんのこと、『ときめきの導火線』『夜が明ける前に』などもおすすめ。作品を観るときにはぜひ音楽にも注目してもらいたい。特にイントロが神がかっているので、イントロこそ聞いてほしい。Amazonで試聴可能なのでぜひ。

 

 

後悔知らず

とにかく『ふしぎ遊戯』を悪く言う人はいない。少女漫画好きは皆、口を揃えて「名作だ」と答える。それはこの作品を読めば一目瞭然だと思う。絶対に読んで後悔はしないだろう。『ふしぎ遊戯』は、恋愛だけではなく、家族、友達、生と死を丁寧に描ききった歴史に残る作品だ。

ふしぎ遊戯』を崇拝しすぎてだいぶ気持ち悪いレビューになってしまったが、作品に罪はないのでぜひチェックして欲しい。