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【年間300冊】漫画ヲタクがおすすめする少女漫画

少女漫画に貢ぎ続けて早18年。本職は編集っぽいことをやっています。

【今宵もまやかしの美しさ、いただき】神風怪盗ジャンヌ(種村有菜)

レビュー

日下部まろんは一見普通の高校生。しかし夜の姿は絵画を盗む“怪盗ジャンヌ”だった。しかし彼女の真の目的は、絵画に宿る悪魔を回収し、神様に力を戻すこと。今宵も月の明かり参上…しかしそこには悪魔の使い“シンドバット”の姿が。シンドバットに悪魔を回収されると悪魔の力が増幅してしまうと天使のフィンに聞かされたまろんは、シンドバットと対峙していく。

 

煌びやかに輝くファンタジー設定

私が少女漫画にハマったきっかけの作品こそ、この『神風怪盗ジャンヌ』だった。綺麗で細かすぎる描写に一気に魅了された。そこから『神風怪盗ジャンヌ』にハマった当時の私は、種村先生のように絵が書きたくて作画集まで購入した。花びら1枚1枚までも丁寧に描く種村先生の細かさにはため息がでたことを今でも覚えている。

 

神風怪盗ジャンヌは、神の使いの怪盗という設定で変身シーンもある、最近の少女漫画ではあまり見かけなくなってしまったファンタジー物だ。当時は『カードキャプターさくら』や『怪盗セイントテール』なども流行っていたが、『神風怪盗ジャンヌ』は少し大人向けに描かれていた。小中学生が中心読者の『りぼん』にて掲載されていたが、大人でもハマっている人も多くいたと思う。

 

伏線が秀逸

ストーリーは、少女漫画特有の王道を進むことなく、親友の裏切り、引き裂かれる恋愛、予想だにしない展開など様々な伏線を残し展開していく。まろんと稚空の恋愛は切ないの一言で、とくに最終話が感動的なのでぜひ最終巻まで読んでほしい。そして何より、本当のまろんの運命が明かされる展開は読者をとにかく圧倒させる

また、作品は全7巻(単行本)だが、各巻ごとに強い印象を残すキャラクターが出てくるので捨て巻はないと断言できる。

 

「今宵もまやかしの美しさ、いただき」

主人公のまろんはいつも明るく元気に振る舞っているが、実は心の奥底では孤独を抱えている“弱い”女の子だ。しかしまろんは、いつでも“強く”あろうと怪盗ジャンヌに変身し、居場所を見つけようともがいていく。そのまろんの姿に自分を重ねみる人も多くいると思う。私もその1人だ。そんな少女漫画でありながら一種の心理本のような作品、それが『神風怪盗ジャンヌ』だ。

 

著者がおすすめする少女漫画ベスト100はこちら

girl-comic.hatenablog.com

 

【もはや芸術】僕に花のメランコリー(小森みっこ)

レビュー

高校生の花は、ある日不良の喧嘩に巻き込まれてしまう。そこで出会ったは1人の少年。花は彼の瞳を見た瞬間に初恋だった男の子、弓弦だと気づく。しかし幼く純粋だった当時の弓弦の面影はなく、全くの別人のように精神的に荒れてしまっていた。それでも花は、小さい頃には守れなかった「ずっとそばにいる」という約束を果たそうと弓弦の傍にいることを決心する。

繊細すぎる絵

私が小森みっこ先生の作品を初めて読んだのは『乙女Holic』だった。その時に「なんて繊細に絵を描くんだろう」と感じたことを今でも覚えている。もともと種村有菜先生の大ファンだった私は、種村先生のような絵の繊細さに一気に魅了された。その繊細さは小森先生のデビュー作『ひみつのすき』からずっと続いている。余談だが、『ひみつのすき』が収録されているオムニバスの『KISS』はとても面白いのでぜひチェックしてほしい。

 

髪の毛1本1本まで丁寧に描かれている小森先生の作品。特に現在連載中の『僕に花のメランコリー』では、精神的に不安定な弓弦の心情が瞳の描写だけでよく分かる。花を徐々に受け入れていくにつれて、瞳が澄んでいくのだ。

キャラクターの設定の良さ

主人公である花は、素直で優しく、親孝行で弟の面倒見も良い。とにかく優等生だ。読者は典型的ないい子を「こんな子いないわ!」と敬遠するが、花の場合、嫉妬や自分の醜い感情に動揺する姿などのマイナス面が随所に表現されるため、花を自然と受け入れてしまう。完璧な人の未完成な部分を見ると、一気に親近感が沸くのだ。

 

そして弓弦。弓弦はとにかく百戦錬磨の完璧なイケメンとして描かれている。顔も良くて、頭も良く、スタイルも良い。しまいには喧嘩も強い(漫画内では喧嘩の強さがプラス面として受け入れられやすい)。そんな弓弦が抱える心の傷。「私がどうにかしてあげたい!」と母性本能をくすぐる設定だ。また、チャラい男性が一途に1人の女性に惹かれていく様子は、少女漫画好きにはたまらない設定の一つに挙げられる。

このように完璧なようで未完成な2人の恋の行く末に、読者はどんどんのめり込んでしまうのだ。

 

 

もはや芸術

『僕に花のメランコリー』は、とにかく壊れそうな恋愛模様が魅力的だ。一度でもすれ違ったら二度と元には戻れないのでは、と思わせる2人の距離感をもどかしく感じてしまう。それは小森先生が描く絵のタッチから感じさせるのかもしれない。もはや芸術レベルの作品。絵だけみても十分楽しめる作品なので、ぜひ一度読んでみてほしい。現在『マーガレット』にて連載中だ。

 

【後悔知らず】ふしぎ遊戯(渡瀬悠宇)

レビュー

中学3年生の受験生である美朱は、ある日図書館で『四神天地書』という古本を拾う。その本を開いてみると瞬く間に本の中に吸い込まれてしまう。そして、本の中の世界「紅南国」の皇帝・星宿(ほとほり)に、「“朱雀”を呼び出し、この国を救って欲しい」と懇願され快諾してしまう。“朱雀の巫女”となった美朱は、朱雀を呼び出すために“朱雀七星士”を探す旅に出る。

読み手を虜にするキャラクターの存在

ふしぎ遊戯は、とにかく主要キャラクターの数が多い。しかし、そのキャラクターたちの個性が決して喧嘩しないのが、この作品のポイントだと思う。物語が進む度にキャラクターたちの抱える闇や過去が明かされるのだが、そのどれもに読み手は共感し、感情移入する。敵でさえも、だ。その人間らしい思考、行動が、読み手をふしぎ遊戯の世界に引きずり込むのだ。

色褪せない

少女コミック』にて連載が開始されたのは、今から20年以上前の1992年。しかし、今読み返しても作品自体を全く“古く”感じないのが、ふしぎ遊戯の特徴の1つにある。物語の舞台が昔の中国という設定もあるかもしれないが、巻き起こる出来事、キャラクターの仕草や言動等どれもとってもきちんと“現代”に当てはまる。つまり、今、起こってもおかしくないのだ。

 

続編までもが愛されるワケ

ふしぎ遊戯』が完結したのは1996年。この完結で読者は『ふしぎ遊戯』ロスに陥る。しかし2003年、『ふしぎ遊戯』の続編となる作品の連載が始まった。それが『ふしぎ遊戯 玄武開伝』だ。ふしぎ遊戯は、“朱雀の巫女”である主人公の美朱の物語を描いているが、ふしぎ遊戯 玄武開伝』では“玄武の巫女”である多喜子が主人公となって描かれる。しかもその多喜子のストーリーは『ふしぎ遊戯』で既に描かれ、そして結末までもが明かされている。

 

既に明かされている結末までの導線が気になる読者は、『ふしぎ遊戯 玄武開伝』にのめり込むようにはまっていく。「続編の主人公が気に入らない」「前作を無理やり続けさせている」といったように往々にして続編は前作を超えられない傾向にあるが、1度描かれているストーリーということで、『ふしぎ遊戯 玄武開伝』が始まったというよりも、ふしぎ遊戯』がまた始まったと読者に感じさせ、一躍人気作品となった。また、前作よりも過去の話となるため、エピソード0的な目線を得られたのも人気が出た要因だと思う。

 

アニメ版が名作続き

ふしぎ遊戯』のアニメは特に良い出来だったと思う。かくゆう筆者もDVDを全巻所有するほどである。漫画を読んでいた段階で想像していた声が見事にマッチしたということもあるが、とにかく制作側の『ふしぎ遊戯』への愛が感じられた。キャラクターの死があれば、名シーンをまとめ、原作にはなかった描写まで入れるほどだ。

 

また、あまり知られていないが『ふしぎ遊戯』にはOVAバージョンがあり、DVDでしか観ることのできないアニメがある。原作とは異なるアナザーストーリーが描かれた“オリジナルビデオシリーズ”は特に名作なので、ぜひご覧いただきたい。

 

さらに、楽曲の良さもある。主題歌の『いとおしい人のために』はもちろんのこと、『ときめきの導火線』『夜が明ける前に』などもおすすめ。作品を観るときにはぜひ音楽にも注目してもらいたい。特にイントロが神がかっているので、イントロこそ聞いてほしい。Amazonで試聴可能なのでぜひ。

 

 

後悔知らず

とにかく『ふしぎ遊戯』を悪く言う人はいない。少女漫画好きは皆、口を揃えて「名作だ」と答える。それはこの作品を読めば一目瞭然だと思う。絶対に読んで後悔はしないだろう。『ふしぎ遊戯』は、恋愛だけではなく、家族、友達、生と死を丁寧に描ききった歴史に残る作品だ。

ふしぎ遊戯』を崇拝しすぎてだいぶ気持ち悪いレビューになってしまったが、作品に罪はないのでぜひチェックして欲しい。

 

漫画ヲタクがおすすめする少女漫画BEST100

まとめ

初めて買った漫画は『りぼん』だった。恋愛の「れ」の字も分からなかった当時の私は、その『りぼん』の中に広がる世界に一瞬で夢中になった。それから早18年。少女漫画とともに生きてきた私がおすすめしたい少女漫画を紹介しようと思う。

第100位 メイちゃんの執事

第99位 市ノ瀬兄弟はガマンできない

第98位 神木兄弟おことわり

第97位 サイレント・キス

第96位 思い、思われ、ふり、ふられ

第95位 はぴまり~Happy Marriage!?~

第94位 マイルノビッチ

第93位 ぴんとこな

第92位 ひるなかの流星

第91位 兄に愛されすぎて困ってます

第90位 3D彼女

第89位 うそカノ

第88位 私たちには壁がある。

第87位 I Love you Baby

第86位 キミとだけは恋に堕ちない

第85位 PとJK

第84位 ウルトラマニアック

第83位 4月の君、スピカ。

第82位 ショートケーキケーキ

第81位 パフェちっく!

第80位 イ・オ・ン

第79位 あのコの、トリコ。

第78位 時空異邦人KYOKO

第77位 ヤマトナデシコ七変化

第76位 モトカレ←リトライ

第75位 ラブ★コン

第74位 こっちにおいでよ。

第73位 Love Jossie GAME~スーツの隙間~

第72位 liar

第71位 セキララにキス

第70位 恋わずらいのエリー

第69位 愛してるぜベイベ★★

第68位 彼と恋なんて

第67位 初恋ダブルエッジ

第66位 ふしぎ遊戯 玄武開伝

第65位 ライアー×ライアー

第64位 おはよう、いばら姫

第63位 未成年だけどコドモじゃない

第62位 コスプレ☆アニマル

第61位 俺物語!!

第60位 僕の家においで

第59位 そんなんじゃねえよ

第58位 黒崎くんの言いなりになんてならない

第57位 高校デビュー

第56位 ふつうの恋子ちゃん

第55位 素敵な彼氏

第54位 はしたなくてごめん

第53位 今日、恋をはじめます

第52位 午前0時、キスしに来てよ

第51位 L・DK

第50位 きょうのキラ君

第49位 アオハライド

第48位 椿町ロンリープラネット

第47位 僕の初恋をキミに捧ぐ

第46位 世界の端っことあんずジャム

第45位 ReReハロ

第44位 好きっていいなよ。

第43位 花ざかりの君たちへ

第42位 ラブファントム

第41位 オットに恋しちゃダメですか?

第40位 花にけだもの

第39位 みだらな熱帯魚

第38位 唇にキミの色

第37位 どうせもう逃げられない

第36位 恋愛カタログ

第35位 ライフ

第34位 近キョリ恋愛

第33位 グッドモーニング・コール

第32位 日々蝶々

第31位 溺れる吐息に甘いキス

第30位 ピーチガール

第29位 水の館

第28位 となりの怪物くん

第27位 お願い、それをやめないで

第26位 paradise kiss

第25位 きょうは会社休みます。

第24位 ストロボ・エッジ

第23位 胸が鳴るのは君のせい

第22位 春待つ僕ら

第21位 コーヒー&バニラ

第20位 天使なんかじゃない

第19位 私がモテてどうすんだ

第18位 君に届け

第17位 BLACK BIRD

第16位 ヒロイン失格

第15位 罪に濡れたふたり

第14位 クローバー

第13位 せいせいするほど、愛してる

第12位 NANA

第11位 突然ですが、明日結婚します

第10位 イタズラなKiss

第9位 ママレード・ボーイ

第8位 僕に花のメランコリー

第7位 桜蘭高校ホスト部

第6位 僕等がいた

第5位 きみはペット

第4位 フルーツバスケット

第3位 神風怪盗ジャンヌ

第2位 花より男子

第1位 ふしぎ遊戯

少女漫画を「こんな完璧な人、現実にはいない」「読んでたら恋愛できなくなる」と言って毛嫌いする人もいると思う。しかし、少女漫画が好きな人は、漫画にリアリティは一切求めていない。ただその世界に陶酔し、夢を見たいだけなのだ。 少女漫画は、一種の癒しだと私は思っている。 そして、「こんな恋愛がしたい」と夢現に、私は今日も少女漫画を読みふけよう思う。